2006年09月28日

カムパネルラ …あの輝く銀河の彼方に…

『銀河鉄道の夜』より…

…ジョバンニはあゝと深く息しました。「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一諸に行かう。僕はもうあのさそりのやうにほんたうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまはない。」「うん。僕だってさうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでゐました。「けれどもほんたうのさいわひは一体何だらう。」ジョバンニが云ひました。「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云ひました。

「僕たちしっかりやらうねえ。」ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧くやうにふうと息をしながら云ひました。

「あ、あすこ石炭袋だよ。そらの孔だよ。」カムパネルラが少しそっちを避けるやうにしながら天の川のひととこを指さしました。ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまひました。天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいてゐるのです。その底がどれほど深いかその奥に何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えずたゞ眼がしんしんと痛むのでした。ジョバンニが云ひました。「僕もうあんな大きな暗の中だってこわくない。きっとみんなのほんたうのさいはいをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一諸に進んで行かう。」「あゝきっと行くよ。あゝ、あすこの野原はなんてきれいだらう。みんな集ってるねえ。あすこがほんたうの天上なんだ。あっあすこにゐるのぼくのお母さんだよ。」カムパネルラは俄かに窓の遠くに見えるきれいな野原を指して叫びました。

 ジョバンニもそっちを見ましたけれどもそこはぼんやり白くけむってゐるばかりどうしてもカムパネルラが云ったやうに思はれませんでした。何とも云へずさびしい気がしてぼんやりそっちを見てゐましたら向ふの河岸に二本の電信ばしらが丁度両方から腕を組んだやうに赤い腕木をつらねて立ってゐました。「カムパネルラ、僕たち一諸に行かうねえ。」ジョバンニが斯う云ひながらふりかへって見ましたらそのいままでカムパネルラの座ってゐた席にもうカムパネルラの形は見えずジョバンニはまるで鉄砲丸のやうに立ちあがりました。そして誰にも聞えないやうに窓の外へからだを乗り出して力いっぱい はげしく胸をうって叫び それからもう咽喉いっぱい泣きだしました。もうそこらが一ぺんにまっくらになったやうに思ひました。…(宮沢賢治)


??????〓〓〓〓〓〓up.bmp

ねえ 僕のカムパネルラ
今ごろ君は天上の銀河のあのあたりにいて
きっと みんなの永遠のさいわいを思いながら
慈しみに満ちた微笑みを投げかけているのだろうね…

幾人もの友を見送ってきた…
若くして召された彼らは皆あまりにも清く純粋な魂で…

(たかふみ 兄さん そして櫻灯路さん…)

夢見る心があまりにも大きすぎたから?
夢そのものになってしまったカムパネルラたち

代わりに僕が逝けなかったのは
きっと まだやり残したことがありすぎるから

銀河の彼方からかすかに聞こえる
君の励ましをたしかに聞いたよ…

そう 僕達はいつまでも一緒に行こう
すべての人が永遠のさいわいに辿りつくまで

一人じゃないことを きっと誰よりも僕は信じられるから
忘れそうなときは
空のきれいな場所まで行こう

そして夜を横切る銀河を見上げて
あの日交わした約束を思うんだ

ねえ 僕の大切なカムパネルラたちよ
いつまでも どこまでも 一緒に行こうね

どんなに暗い孔でもこわがらないで
いつまでも どこまでも みんなのさいわいを探しに行こう…
posted by 銀河ステーション at 21:04| Comment(4) | TrackBack(0) | 詩:懐かしいあなたのために | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ふたたびの朝 …友へ…

新しい朝の光を浴びて
ふたたび生まれ変わる 心

長い夜の痛みと悩みを越えて
さしこむ一筋の希望に…

????????????up.bmp

まだ信じるというのか
なんどもなんども泥にまみれて…
生きていくことさえあきらめた夜もあったというのに


なぜ…? 
一人 心に問いかける


 自分ひとりで見た夢ならば
 そっと静かに幕をおろそう

 そして暗い海辺に身を横たえて
 この存在すらも満ちてくる波に委ねよう


でも 僕の心の中に君がいる
君と分かち合った夢だからこそ…

 
 また 朝の光がさすたびに
 疲れたからだを そっと起こして

 眩しさに 細めた瞳に手をかざし 
 未来を見つめて歩き出すんだ


…君と分かち合った夢だからこそ…
posted by 銀河ステーション at 00:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 詩:懐かしいあなたのために | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。