2006年03月24日

鍾乳洞にて

薄暗い洞窟の中を
僕はゆっくりと進んでいく

背をかがめたり
大きな岩をまたいだり
落ちてくる水滴を避けたりしながら
まるで人生に似ているな…と僕は考える

こんなふうに
先の見えない薄暗がりの中を手探りで
背をかがめたり大きな岩をまたいだり
落ちてくる水滴を避けたりしながら越えて来た

一体僕はどこに向かおうとしているのだろう
ずっとこんな暗がりが続いていくのだろうか…

ふいに泣き出したくなる衝動にかられながら
僕はそれでも前へと進む

おもむろに目の前がひらけて
大きな空間が現れる


 青白い光に照らされて
 静かに浮かび上がる神の芸術

 気の遠くなるような時を重ねて
 少しずつ積み上げられた白い重なり

 誰も見ていない何万年の間
 やがてくる僕らとの出会いのために
 丁寧に磨き上げられてきた
 言葉なき愛の表象


…ひとりの少女が異国の言葉で歌い始めた
透き通る歌声が青白い空間に反響する

やがて人々の話し声が止まり 
静けさの中 祈りにも似た歌声だけが響きわたる

そう それはまるで教会の静謐とどこか似ていた
いつしか我知らず涙があふれ
過ぎ去った悔恨や過ちが洗い流されていく

それは何万年もかけて育まれた一つの優しさ
そしてこれからもきっと変わることのない崇高な愛

薄暗く長い道のりの果てに
こんなにも美しい世界が待っているなんて…

僕は洞窟の中で神に出会った
何万年もの時を越えて僕を待っていた愛に出会った


歌声はやみ 
洞窟を抜けて
光の中 新たな一歩を僕は踏み出す


…これから続く長い道のりの中
時には闇に閉ざされて苦しむ日々もあるだろう
その中で自分の弱さに負けそうなとき
僕はこの白く輝く神殿を思い出すんだ

いつでも見守っている愛があることを
どこかで待っている静かな愛があることを

その時僕の心にあの歌声が響き
光あふれる未来へと導いてくれるだろう
posted by 銀河ステーション at 22:04| Comment(4) | TrackBack(0) | 詩:歩き続ける日々に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『人生、山あり谷あり』
言われると洞窟に似ていますね。
でも進めば必ず光が見えてくるものですよね。

ゆっくりでも、暗闇の中でも、笑顔で歩く事♪

希望を持ち続け歩きましょうね(^_-)-☆
Posted by ゆうた at 2006年03月25日 22:43
 こんばんは。
 神秘的です。とても。何だか、心にすっと入り込んできて、そのまま引き込まれてしまいました。
 とても今の自分に似ているんです。自分を美化しすぎかも知れませんが。
 今、色々な考えが頭の中に渦巻き、それでいてあと半年以内に何らかの結論を出そうと悩んでいます。
 迷い続ける毎日でしたが、それでも、少しずつ進んでいるような気がします。でも、まだまだ進みきれていません。
 不安ばかりが募って、自虐的になりそうなときすらあります。
 ちょうどそんな今の状態で、この作品を読みました。何だか、不思議な感じがしています。
 本当に、心が救われる思いがしました。今は感謝の気持ちで一杯です。どうもありがとうございます。
Posted by 篩'Jim_a_e'獅師 at 2006年03月26日 20:56
今日は私のブログを訪問してくださいましてありがとうございます。

鍾乳洞の中は自分の人生の一コマを見ているような気がしませんか?
私は時々、そのような気がします。苦しい時、何もなく暗い道をただただ歩いていた時に遥か彼方から光というか出口が見えたとき、私は救われた喜びで一杯になります。
そして、また次の鍾乳洞が待っています。
また次の....
Posted by Miyoko at 2006年03月28日 01:43
>ゆうたさん
ほんとにそうですね。
なんだか、ゆうたさんと一緒にいると、洞窟の中でもそこだけ明るくなるような気がしますね。
笑顔でがんばります!

>篩'Jim_a_e'獅師さま
僕も時々、「ひとつなるもの」を読みながら不思議なシンパシーを感じることがあります。
人の心ってつながっているのかな…なんて思ったり。
篩'Jim_a_e'獅師さんの進む先に、必ず光があると信じます。頑張ってくださいね。

>Miyokoさん
こちらこそありがとうございます。
人生と鍾乳洞…ほんとに似てるなって思います。
そう考えると、試練が繰り返し現れるってことも、鍾乳洞に何度もTRYすることだと思えば、なんだか楽しみなような気がしてきますね。

皆さん、コメントありがとうございました!
Posted by 銀河ステーション at 2006年03月28日 08:17
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