2011年03月24日

忘れてはいけないこと



こんな頃になって舞い降りる雪



もうすぐ東京は4月だというのに
何かを思い出させるように
白い雪たちが舞い降りる

今はこの町は
喪に服したように灯り乏しく
いつにも増して鮮やかな闇に
白い雪たちはいよいよ白く…


誰の魂を運んでいるのか
誰の思いを連れてきたのか

宛先のない贈り物たちは
きっと すべてのひとの心に…



この町ですら雪が降るなら
今頃 あの北の町の人々は
どれほど凍えているだろう

僕らにとってのこの贈り物は
誰かにとってはあまりに辛い…



それでもあとからあとから降り続く雪
何かを思い出させるように
忘れてはいけないと叫ぶかのように
少しでも
わかちあってほしいと願うかのように


僕ら全ての心は寄り添う
同じ雪降り積もるあの人たちに…

snowy.jpg
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2011年03月20日

あの美しかった町々に寄せて…

あらためて 今
つながりを思い出している。

…こんなことになってしまってはじめて
気づく大切なこと ひとつ
また ひとつ

思い出す大切なひと ひとり
また ひとり





あの町は
いつかの季節に
僕もこの足で駆けた町

なにげなく挨拶をかわしたり
しかめっつらで睨まれたりした
名も知らぬたくさんの人たち

そのうちの誰かは今も生きていて
誰かは波にさらわれて…

そして僕は今ここに生きている…



たくさんの生まれたてのカムパネルラたちが
今日 銀河の星になったよ

でもね
きっと まだ
とりのこされたジョバンニたちは
うつむきながら歩いている

まだあの星たちを見上げるには
こぼすべき涙が多すぎるんだ…




遠い東京の空の下で
僕は また 思いをはせる

生きている意味
生かされている意味
つながりと絆


そしてこれからはじまるはずの
僕らみんなの未来について…




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posted by 銀河ステーション at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月17日

たんぽぽに寄せて

限りない愛をのせて
あの遠い海の彼方
泣いているあの子達のもとへと…

…飛んでゆけたなら

dandelion up.bmp
県境の標識を越えながら ふと 思う
空には境目なんてないこと

きっとすべての境界線は
人の心がつくりだした錯覚のようなものだから

すべての境目を越えて
空は続き 海は続く

きっとこの小さなたんぽぽの種も
さわやかな風に乗り 遠い国の悲しい子供たちのもとへ…


さあ僕たちも 地球儀の上から
複雑に入り組んだ国境線を消してしまおう
後に残るのは目の覚めるように美しい
神様がくれた青い宝石


今はまだ
心と心の間の小さな境界線でさえ
のりこえられない僕らだけれど

いつの日か
愛と希望をつめこんだ未来の種へと生まれ変わって
自由という名の綿毛につかまり
飛んでゆこう

僕らを待っているあの子達のもとへと…
posted by 銀河ステーション at 23:00| Comment(6) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月15日

待っている…

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待っている…
そっと 祈りをこめて
待っている

いつか光に包まれる日がくることを
柔らかな愛がすべてを包み込む日がくることを

涙も 痛みも 苦しみも
すべて美しい花を咲かせるためのこやしだったと

笑顔で振り返る日が来ることを
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2007年04月10日

約束

ひとりで心に決めた想いは
思いのほかもろく崩れてしまった
でも 君と交わした約束は
消えないぬくもりで小指の先に息づいている…

きっと 
ひとりで描く夢よりも
誰かと分かち合う願いのほうが
何倍も僕に力をくれる

努力の先に咲く笑顔の花は
一つより 二つのほうがすばらしい

そして二つより もっと もっと
世界中の人に笑顔の花を咲かせられるなら…

そのほうがもっと素敵だね

そして そんな夢のために僕は生きよう

まだ見ぬたくさんの人達と…
この指先で 『約束』
約束少女up.bmp
posted by 銀河ステーション at 01:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月17日

聖なる夜に…

もうすぐメリークリスマス

かぎりない愛と奇跡をたずさえて
救いの御子が生まれたという
聖なる日…

世界のあちこちで
七色のイルミネーションに飾られた
ツリーとサンタクロースの笑顔があふれ
プレゼントを待ち望む子ども達の輝く瞳がある

 でも… 世界中のあちこちで
 プレゼントなど届くはずもない
 たくさんの
 子ども達がいることも知っている…


…どうか
その日だけは
その夜だけは
全ての憎しみや争いがやむように…

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 それとも
 クリスマスすら 
 異教徒の 忌むべき祭りと
 罵られるのですか?

…せめて
曇りない瞳で 祈りを捧げる
幼い心だけは踏みにじらないで

お願いだから


この街にあふれる
イルミネーションの数ほどに
数え切れない涙の粒が
子ども達の頬を流れている

僕は祈らずにいられない
彼らの せめて眠りの中だけは
やすらかな愛で満たされるように…


 サンタさん… 絶対に忘れちゃダメだよ

 たとえ戦火の中だとしても
 彼らの心を訪ねてほしい
 希望の光を灯してほしい


そんなふうに
みんなで心をあわせて祈りたい

聖なる夜に…

僕らのしあわせだけじゃなく
世界中のすべての人の喜びのために
posted by 銀河ステーション at 17:00| Comment(5) | TrackBack(2) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月05日

夢みるこころ

夢を語る君たちはとてもまぶしくて
嬉しくて

確かになんにもわからない子供が描く
無邪気で他愛もない夢かもしれない

でもその根っこに確かな情熱と愛があるなら
決して間違った実りをもたらすことはないだろう

雨風に打たれ 
時には踏み潰されもするのが人生

それでも負けない想いの強さが
夢を語る君たちの中にはきっとある

あきらめたりさえしなければ
物語は必ずHappy Endを迎えるはずだと信じるよ

yumemirusyounenn01up.bmp

それにしても
君たちを見つめる心はなぜこんなにもしあわせなのだろう

愛に満たされた心は嬉しくて
思わず一緒に走り出してしまうんだ

もう「お兄さん」と呼ばれるよりも
「おじさん」と呼ばれたほうがしっくりするような年頃だけど…

きっと人間はいつまでも子供なんだろう
消えない夢を…どこかで信じ続けているんだね
posted by 銀河ステーション at 03:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月30日

このそらに

 このそらは 
 どこまで続いているのかな…

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たくさんの歌声や笑顔の上に
時には涙や戦火の上に


 誰にも言えない想いを抱いて
 見上げるそらの色


使う言葉 信じる神様が違っても
瞳に映るそらの色は同じ

青く輝く小さな星に
肩寄せあって生きている


もうこれ以上争いの声を響かせないで
こんなにも澄み切った青ぞらなのだから


誰一人憎しみや怒りの犠牲になることのない
明日がくることを心から願う


 このそらに
 どこまでも続く…このそらに
posted by 銀河ステーション at 03:08| Comment(8) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月07日

Green Wind

明日から吹く緑色の風に
忘れかけていた願いがよみがえる
誰もが心で求めているのは 愛
優しさ そして希望

繰り返される愚かさや過ちよりも
はるかに大きな愛を忘れずにいよう

Green wind up01.bmp

人間はまだまだ小さすぎるね…

はるかな空からそそぐ光に思う

posted by 銀河ステーション at 09:46| Comment(8) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月03日

やがて一つになる日まで

小さなすれちがいや誤解が積み重なって
いつのまにか越えられないほど深い溝ができてしまった

聳え立つ壁ですら
最初は小さなれんがを一つ置くところから始まった

すぐに謝ることができていたなら
傷つけた痛みに悔やむ心を届けていたなら…

高く聳える壁の前に立ちすくむけど
本当は …いつでも一緒にいたかったんだ

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それでも …きっと遅すぎはしない
そう 今からでも遅くはないと信じよう

どんなに分厚い壁に隔てられても
越えられない溝に 憎しみの大河が流れていても

トンネルを掘り
橋を架けてゆくことはできるはず

やがてふたたび一つになる日を…
僕はあきらめたくはない




『露がグルジア国境閉鎖し交通遮断、郵便や送金も停止』こんな記事が目にとびこんできた。少し前まではひとつの国だったのに。ソ連時代の指導者スターリンはグルジア出身の人間だった。
きっと家族や親族、友情の絆で結ばれている人が、国境の向こうとこちらにいるはずなのに。手紙を送ることすら許されない。年老いた父母に仕送りをすることも、できない。
またどれだけの涙が流されるのか…。ロシアには一緒に歌い涙した友人もいるだけに、余計に心が締め付けられる。
昨日24時間の間に、バグダッドでは50人の遺体が新しく見つかったという。スンニ派とシーア派の対立の犠牲者…。もともとは同じイスラームなのに。

日本も、かつて文字や文化を教えてくれた国、中国や韓国と未だに葛藤を抱えたままだ。人は争わずにはいられない生き物なのだろうか。

…でも、悪あがきかもしれないけれど、あきらめたくない思いは残る。

この夏、休暇を利用して、親しい学生たちをひきつれて、一緒にひとつの冒険をした。

東南アジアの国を訪ねて、貧しい人々に家をつくるプロジェクトに参加したのだが、そこで触れ合った現地の子供たちの笑顔が忘れられない…。
もちろん、そんな小さな活動自体が何かを解決したとは思わない。むしろそこから何かを始めるために企画した旅…。
でも、わずか数日の体験は、主役である学生たち以上に、僕自身にもたくさんの感動を与えてくれた。

少年up.bmp言葉も違う、人種も違う学生たちで集まって、一つの家を作り上げる…。
誰かの為に尽くす喜び。愛したい思い、幸福を求める心はみんな同じなんだと気がついた。争うよりも、罵りあうよりも、手をつなぎ、同じ歌を歌いたいのが人間なんだ、と…。

途中で訪ねた小さな教会に掲げられた由来を示すプレートには、日本軍の侵略についての記述があった。そんな歴史を刻んできたのに、僕達との別れに涙を流してくれたその国の少女…。

積み上げてきた憎しみのあまりの大きさに、時々あきらめそうになるけれど、少しずつでも積み上げていく愛情と信頼の絆が、やがて高い壁すら越える時がくると信じて、希望をつないでいきたいと思う。

少なくとも何もしないで後悔するのはいやだから。


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2006年10月01日

手をのばしたら…

まっすぐに見つめる瞳
そっとさしのべられた手…

hand up.bmp

君の視線の先には 世界
さしのべられる手を待ちわびる寂しい心たち…

飢え乾いているのは
決して灼熱のアフリカの大地だけでなく

すぐ隣にあるうつむいた横顔や
睨み付ける 少年の …瞳






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posted by 銀河ステーション at 19:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月15日

『近頃の若者は…?』

どうしたの?遅かったね…と
問いかけるみんなに君ははにかんで
あのね…と話してくれた
公園の小さな出来事

巣から落ちた小さな雛が
弱りきって悲しそうに鳴いていた
空では親鳥たちが群がって
雛を狙うカラスを牽制していた

あまりにも巣の位置が高いので
可哀想に…と思いながらも近所の人は何もしなかった
急いでいた彼女もそのまま通り過ぎようとした

でもね…

必死に騒いでいる親鳥たちの声を聴いていると
今にも死んでしまいそうな雛鳥の姿を見ていると
なんだかほおっておけなくて
思わず駆け寄って ちいさな雛を手のひらに載せた

通りがかりの近所のおじさんからはしごを借りて
背の高い彼女はよじ登ったはしごの上から思い切り手を伸ばしてみた
でもやっぱり届かなくて そっと屋根の上に置いてみたけど
親鳥は警戒して降りてこなかった…

どうしよう

悩んだ彼女はおもむろに枝や葉っぱを拾い始めた
そう 小さな命のために
彼女はお母さんになったんだ

やっとできあがった手作りの巣の中に
雛鳥の小さな体を横たえて
もう一度はしごを登った彼女は
一番近いところにある枝の分かれ目にその巣を置いた

そんなこんなで遅れてしまったの
ごめんね

謝らなくてもいいよ…とみんなが思った
むしろ…ありがとう…と心の中で微笑んでいた

まだまだ捨てたもんじゃないな…と僕は心でひとりごと
近頃の若者は…なんてさげすむ人もいるけれど
別に鬼や化け物になってしまったわけじゃない
人としての暖かい心は彼らにだって宿っているんだ

どんな宝石でも 磨かなければただの石ころ
磨けば磨くほど輝きは増す
たとえ黒ずんで泥まみれになっている原石でも
心をこめて磨いてゆけば思いもかけない光を放つ

問題ばかりが目に付く世代でも
それはまだ本性を磨いていないだけのこと
信じて根気よく磨いてくれる誰かがいれば
見たこともない素晴らしい世代に生まれ変わるかもしれない

だってこんなに優しい心で
命を慈しむ少女がいる
そしてその女の子の話を聞いて
微笑む心をみんな持っている

生まれたときにはおぎゃあと泣いて
お母さんの胸に安らかに眠った
彼らなんだから…

信じてあげたい気持ちになった …夏の出来事

少女と雛02up.bmp
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2006年06月16日

もう一度…

人の醜さや愚かさを見つめ続けていると
いつしか 自分の心の中まですさんでしまう
確かに それは現実だけれど
人は 決して現実の中だけに生きるんじゃない

夢を描いたり 未来を語り合ったり
なりたい姿を思い描いて
少しずつ 少しずつでも
成長していくのが生きるということ

最初からいい人なんていない
誰だって赤ん坊のころには自分のことしか考えなかった
そうだろう
でも 少しずつ誰かを思いやることを覚えていくんだ

だから 僕は信じたい
誰もが冷たい顔で行き過ぎる
こんなに寂しい世界だったとしても
かならず変えてゆくことが出来ると…

愛することの喜び
ともに生きてあることの嬉しさを
確かめながら 分かち合いながら
少しずつ 少しずつでも

そう もう一度 ここから始めてみようと思うんだ…

コピー 〜 ヤ椅子壁紙.bmp
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2006年06月12日

梅雨の晴れ間に…

…おはよう…

柔らかな光に挨拶しながら
紫陽花の咲く小径をすぎる

光は愛のようだとふと想う

あじさいup.bmp

見えないけれど 優しい
どんな人にでも同じように注がれる

「あなたがたの天の父が完全であるように
あなたがたも完全なものとなりなさい」

愛になりたい
この柔らかな光のように なりたい
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2006年06月01日

種〜未来への希望〜

誰が植えてくれたのか
人の心に種がある
どんなに小さな子供でも
与えて喜ぶ 綺麗な心をもっている

ぷくぷくした可愛らしい手をさしだして
その子は小さなあられをくれた
「ありがとう」と言って口にくわえると
満面の笑みが花咲いた

誰が植えたのか知らないけれど
この子の心に種がある
ひとの幸福(しあわせ)を肥しにしながら
すくすく育つ花がある

「だめだよわがまま通したら…!」
恐い顔をして僕は叱った
しばらくは泣いていたけれど
…やがて照れ笑い 「ごめんなさい」とその子は言った

誰が植えたのか知らないけれど
はじらう心の種がある
見えない添え木がまっすぐに
おひさまが笑う 空に向かって導いている

僕の心にも種があり
君の心にも種がある
しっかりと 育てることが出来るなら
やがて世界は 綺麗な花畑になるだろう

誰が植えてくれたのか
人の心に種がある
だから未来を信じてゆける
明日に向かって歩いてゆける

未来の種01up.bmp

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posted by 銀河ステーション at 06:14| Comment(7) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月27日

ある朝の出来事

さわやかな朝を切り裂く一筋の叫び声
「誰か!ハンカチを!」
見れば初老の男に抱えられた血まみれの若者
いや憔悴しきったその顔は若者と呼ぶにはあまりにも疲れていた

駆け寄ると次から次へと真っ赤な滴がしたたり落ちている
一緒にいた少女たちが首に巻いていたバンダナを差し出す
それは本当ならば大切な思い出としてしまわれるはずのもの
でも目の前で痛んでいる人を見捨てることはできなくて
彼女たちは自分の一番大切なものさえ投げ出した

血に染まるバンダナ…それは確かに愛の象徴
人間だけに許された尊い絆の確かなしるし

救急車を呼び 警察を呼ぶ
…警察…
そう それは単なる事故ではなかった
傷ついた男が言う
「母親を…母親を助けてください…」
聞けばその交差点から程近いマンションの一室でその凶行は起きたのだという
傷ついた人間はもう一人
傷つけたのは誰なのか…

「妹です」

そこにいた誰もが言葉を失った
最も深い絆で結ばれているはずの
家族が家族を傷つけたのだ

男が指差したマンションに僕らは向かった
オートロックの前で僕らは警察の到着を待つ
心の中には言いようのない悔しさが渦巻く
マンションの中には 恐らくその妹だろうと思われるわめき声が響く…
警察官がふみこんでゆく
やがて連れ出される若い女と
その後に続く担架に横たわった初老の女
「命に関しては…わかりませんね。もともと病気を抱えているようですし」
若い警察官が教えてくれた
祈るしかない僕たちは走り去る救急車を見送った

一体その家族に何が起きたのか
病身の母親をなぜ傷つけなければならなかったのか

最初の傷ついた若者の足には包帯が幾重にも巻かれていた
おそらくは以前にも同じようなことがあったのだろう
マンションの住人が事件を聞いてつぶやいた
「ああ、あそこの家はおかしな家だから…」
「もともとあの娘さんはおかしかったのよ…」
突き放したようにこぼれた言葉が痛かった

同じ建物の中に住んでいても
人の心はこんなにも遠いものなのか
涙ひとつも流れない
痛みも傷も伝わらない
無関心によって生まれた空白地帯で
怒りと憎しみは増幅され
やがて恐ろしい刃となって
家族という絆を切り裂いた
…過酷な現実

その日もその翌日も
新聞を見てもネットを調べても
この「小さな」事件のことは書かれなかった
おそらくはその母親は一命をとりとめたのだろう
この「小さな」事件のことは誰に知られることもなく
ひっそりと時の流れの中に消されてゆくのだろう

「小さな」事件

娘が親に 妹が兄に切りつけたそれは「小さな」事件
きっと話題にもならないほど
今の日本はそんな「小さな」事件で溢れかえっているのだろう
連日のように報道される殺人事件
親子が 兄弟が 夫婦が殺しあう
いつの間にか麻痺していないか
ありえないほどの悲劇があたりまえのことになりつつある
私達のこの国…

せめて血染めのバンダナだけは忘れずにいよう
実の妹に切り裂かれた傷を救ってくれたのは
それまで出会ったこともない少女たち

人の心の中には確かに愛も住んでいる
憎しみや怒りや悪意を乗り越えて
すべてを癒すことの出来る愛が住んでいる
せめてそれだけは忘れずにいよう
そして信じ続けていこう
小さな善意や愛が積み重なって
再び私達の国は家族になると
争いあう世界もいつかはきっと家族になると

静けさを取り戻した朝の町を僕たちは再び歩き出す
絶望と希望の両方を固く握り締め
未来を決めるのは紛れもない僕たちの一歩一歩だと
共にいた一握りの若者たちと
言葉にならぬ心の声で分かち合いながら
それぞれの一日に向かって歩き始めた

走り去る救急車のサイレンと 幾重にも巻かれた包帯と
血染めのバンダナを胸に抱いて…
バンダナ01up のコピー.bmp続きを読む
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2006年05月24日

流れ星と涙と…(名もなき友たちへ)

憎しみに覆われた心が生まれ変わるために
たったひとしずくでもいい
真実な涙が必要であるように
憎しみに覆われた世界が生まれ変わるためにも
誰かの真実な涙がなくてはならないのだろう

誰も気づくことのない世界の片隅で 今日も
そんな涙が流されている
エゴと怒りと 怨みや葛藤が渦巻く世界の中で
横たわるいくつもの死体と
泣き叫ぶ幾人もの傷ついた心のために
くちびるをかみしめながら
歩き続ける たくさんの名も知れぬ人たちがいる

そんな
どうしようもない痛みを抱えた彼らのうえに…

流れ星が落ちる
涙をためた瞳は祈りをこめる
どうかこの世界から悲しみの涙をなくしてください… と
真実な愛の涙をためて瞳は祈る

いくつもの流れ星と涙と…
切ない祈りを聞き届けてくれる誰かが欲しくて
一瞬で消えてゆく光だとしても
信じることの出来る希望が欲しくて


そんなささやかな祈りの声を
確かに聞き取ることの出来る僕であるように…
いつか僕も見たはずの流れ星の残像を
心の中で確かめている

名もなき友たちの頬を流れる涙と
名もなき空に流れる星に誓おう
いつまでも 忘れない心で祈り続けると…

いつか流したはずの涙の記憶を
心の中で確かめながら

僕も行くよ
流れ星up のコピー.bmp
posted by 銀河ステーション at 21:45| Comment(4) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

あふれるほどの優しさを

あふれるほどの優しさを
花束のように抱きしめながら
もどかしい言葉を不器用に操るあなた
言葉は心を決して越えない
伝えきれない思いをどうやって運べばいいのだろう
見えない心は聞こえない声で
精一杯の鼓動を打ち続けている
いつか
きっと
響きあうその日が来ると信じて…

くちびるをこぼれたひとつひとつの花びらが
舞い上がり …光る

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posted by 銀河ステーション at 23:43| Comment(4) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月01日

柔らかな朝に

今日は柔らかな朝
小鳥のさえずりに耳を傾け
オレンジ色のフィルターをかけた
街の景色を眺めている

行きかう老人たちの顔も
心なしか優しげに見える
思わず見知らぬ人にも挨拶したくなる
こんな気持ちが続けばいいのに…

相変わらず新聞の紙面には
憂鬱な記事があふれているけれど
罪に手を染める人々の心にも
こんな柔らかな朝の記憶があったと信じたい

こんなにも柔らかな心を壊すもの
憂鬱や暗闇を人の心にもたらすもの…

こんな優しい気持ちになれた朝だからこそ
心静かに尋ねてみよう

コピー 〜 朝03up.bmp
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2006年02月27日

決して無意味なことではないんだ

遠い地球の裏側で
雪につつまれた祭典が終わるころ
常夏の南の国々では
罵りあう叫び声が響き渡っている

僕は小さな島国にいて
ただパソコンの画面の記事を辿ることしかできないけれど
つい一年ほど前に一緒に汗を流した友たちが
寝たり食べたりおしゃべりしたりしている街の出来事なんだ

地球は休むことなく回る
僕がこちら側で眠っているとき
あちら側では誰かが朝の光を浴びて
今日一日の計画を立てる
それは決して楽しい計画ばかりじゃなくて
誰かを傷つけるために刃を磨く人もいるんだ

僕はその人を止めることはできない
傷つけられる「誰か」を助けることももちろんできない

…時々
自分が絶望的に無力に思えるときがある
遠い国の出来事ばかりじゃない
身近に転がる悲劇にすら何もできない僕なんだ


遠い国の友たちの顔が浮かぶ
 家族や大切な人たちの姿が浮かぶ
  映像で見た泣いている顔や笑っている顔
   世界中の人達の 運命に立ち向かう姿が浮かぶ

さしのべる手は宙を泳いで
 呼びかける声は風にまぎれて
  誰にどこに届ければいいのか
   想いすら流れる時にまぎれて…


パソコンの中の世界にはこの手も声も届かない
それでも募る想いをせめて凝視する視線にこめて
手を見る そして言葉をつぶやく
「決して無意味なことではないんだ」

決然と席を立ち 
今日一日の仕事に向かう

この手で行うひとつひとつが
この口で語るひとつひとつが

少しでもこの回り続ける地球の上に
喜びや幸せを積み上げてゆけるよう
「決して無意味なことではないんだ」
そう心に言い聞かせながら…

地球up.bmp
posted by 銀河ステーション at 03:27| Comment(5) | TrackBack(0) | 詩:未来と平和のための祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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